いまだに明確な結論の出ない購入vs賃貸論争。

金銭面を焦点に絞った場合、いったいどちらが有利になるのか？

とある雑誌で、そんな記事があったので今回ご紹介しましょう。

　

長生きを前提とするなら、総住居費は『購入』が有利？

住居を購入・賃貸のどちらにすべきか、この問題は長く議論されていますが、明確な結論はでていませんでした。それは年収や職業、家族構成・寿命などの個人的要素のみならず、予測がつきにくい金利や地価の変動といった社会的要素まで考慮する必要があるからです。しかし、単純にキャッシュフローをベースに考えるとどうなるでしょうか？

 

上の図は、都市圏に住む3人家族が35年ローンで3500万円のマンションを購入した場合と、賃貸で家族構成に合わせ2回の住み替えを行った場合の住居費を比較したものです。長生きする前提で、購入時から54年分をグラフに表しています。

 

まずは、総住居費を見てみよう

ローン完済する35年の時点では

●購入6252万円

●賃貸4952万円

と、この時点では賃貸の方が得に見えます。

 

しかし、購入の場合、土地や住宅が資産になります。たとえば評価額が元値の半額となる1750万円だったとしても、賃貸に比べて実質的に有利といます。

 

さらに50年になると

●購入6792万年円

●賃貸6822万円

総住居費は購入の方が得となり逆転。

 

これ以上はさらに差が開いていきます。総住居費では「購入」に軍配が上がりそうだということです！

 

ここ数年「人生100年時代」という言葉をよく聞きます。まさに100年生きることが現実味を帯びてきている今、長生きを前提に考えてみるのは正しい方向かもしれません。完済後は月々の支出も少なく、家を売却して住み替えるという選択肢もとれますしね。

 

　ただし、購入にもデメリットはあります。「頭金にするためにまとまったお金が若いうちに必要です。頭金をそれなりに用意しなければ支払う利息が増え、総額は大きくなります。定期的に設備などの修繕も必要なので、その準備もしなければなりませんね。変動金利の場合は金利上昇にも注意が必要です。若いうちは教育費など、まとまったお金が必要になる機会も多いので、ほかの支出との兼ね合いも考慮しなければなりません。」購入したからと言って安心というわけではないようです。

 

また返済中の細かいキャッシュフローも興味深いので見ていきましょう。

「単純な支出の総額でいえば、ローン返済中の住居費は「購入」も「賃貸」も大きく変わりません。購入派も修繕費や固定資産税などが掛かりますが、賃貸派も契約更新料や住み替えによる引っ越し費用などが発生するからです。

 

 

しかし、重要なのは定年後。購入派も月々の修繕費は貯蓄しなければなりませんが、賃貸は月々の家賃を払わなければいけないため、毎月確実に家計に負担がかかります。

 

老後の月々の家計を考えても、やはり長生き社会では購入派の方が有利のようです。

 

 

　とはいえ、賃貸にもメリットはあります「住居費が厳しくなったときに、比較的気軽に安い物件へ引っ越せます。シングルや夫婦のみならばもう少し幅広く柔軟な選択もとれそうですね。

 

 

今回のケースは、マンション購入ですが、

新築に置き換えてもほぼ近い結果になります。

 

「家を建てる（購入する）」か「賃貸か」、迷われている方は、

住居費という観点で比較してみるのも、ひとつの方法ですね。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

 

※１　家族設定：1年目で夫29歳、妻29歳（共働き）、子供1人1歳、世帯年収600万円。37年目で世帯主が定年退職。

 

※１購入派設定：物件3500万円（頭金500万円）、諸費用：105万円（物件価格の3%）、固定金利2.0％、返済期間35年、管理費・修繕積立金：当初20年間は月2万円、21年目以降は月3万円、固定資産税・都市計画税：約390万円、住宅ローン控除：10年間で約267万円、入居時費用：30万円、リフォーム代：10年目100万円、30年目200万円。

 

※2　賃貸派設定：50年間で住み替え2回、家賃：1～9年目は月10万円、10～24年目は月12万円、25年目以降月10万円、入居時費用：敷金1か月、礼金2か月、仲介手数料1か月、引っ越し代：1回30万円