長く快適に過ごせるように、できるだけバリアフリーであること、将来車椅子が通れる十分な幅にこだわった

遠くから見ると、まるで2棟が寄り添うように見えるSさんの平屋。2色の外壁が程よいコントラストを生み出し、緩やかな屋根の勾配が特徴的。玄関ポーチは斜めに設計することで、空間の広がりを演出。「私たちは要望をただ伝えただけで、設計のすべてが純さんのアイデア。ファーストプランがあまりに素晴らしくて、微調整をお願いしましたが、基本はほぼお任せでした」とSさん

本家として仏壇を祀る和室はSさんにとって大切な場所。そこで、リビングとつなげる形で設計しながらも、真四角の開口をつけて特別感を演出している

余分なものをすっぽりと隠す対面式キッチン。ダイニングテーブルは、イスと一緒に来客時に拡張できる優れもの

和室正面には、四角い開口と正方形の障子戸を取り付けた。間接照明の彩りも加わり、凛とした佇まいに

玄関ホールから廊下へ続くグレーの壁紙は、革のような素材感がモダン。間接照明とのバランスもいい

大通りに面した部分に、お祭りの際に人寄せをするミニガーデンを設計。ここでBBQなどを楽しむそう

玄関のすぐ右側に、中庭テラスへ入るアイアンの扉がある

3方向を囲まれた中庭が家の中心。大きな窓越しに光、風を室内へ届ける

トイレは車椅子でも通れる幅と広さ。ご主人の希望で小便器も設置した

廊下にも無垢材を使用。広めの幅を取ってあるので、将来車椅子等での介護が必要になった時でも安心

「将来、車椅子になってもいいように」と、玄関からゆとりのある造りに。使いやすい高さや幅にも気を配った

寝室から家事室、脱衣室まで一直線につながる大容量のウォークスルークローゼット。幅も広くとってあるので車椅子のままでも快適に使いこなせる

将来の暮らしを見据えて室内は引き戸を多用し、バリアフリーに。庭とテラスに面した畳スペースも段差がなく、走り回ったり寝転がったりと自由に過ごせる

建築士の意見を取り入れて、子ども部屋は将来分割できるように2部屋つなげた。家族構成の変化に合わせた可変性で、長く快適に暮らせる

素材感が活かされたリビング。ヘリンボーン柄の壁は、板の幅や長さにもこだわった、見事な職人技。キッチン奥のパントリーや、サニタリースペースのドア、ソファはトーンの違うブルーでコーディネートしてアクセントに

大通りに面していない庭の方向に大窓を設け、リビングには外部の視線が一切入らない設計に。採光の工夫で明るさは十分確保でき、高い性能のおかげで一年を通して快適に過ごせる

BBQや日向ぼっこなど、アウトドアリビングとして過ごせる広いウッドデッキ。帽子のつばのように長くせり出した軒が夏の直射日光を遮り、冬は室内の奥まで光を届けてくれるので、エアコンに頼りすぎることなく一年中快適に過ごすことができる

性能を重視するご主人を納得させたのが、家の断熱性と気密性。猛暑でも29度設定の冷房で十分涼しく、真冬はリビング階段に暖簾をかけ、暖気を閉じ込める工夫で快適に過ごせているという。耐震性や耐久性の高さも魅力