もともとあった石畳を補修し、傷んだ石は入れ替えて美しく仕上がった。石畳の雰囲気と新居の外観がマッチして、京の町屋の風情を感じさせる

掃出窓から明るい日差しが注ぐLDK。敷地に制約があるなかで、空間を有効に活かし、家族４人がゆったりと過ごせる広々とスペースを確保

リビングの天井にはWB工法オリジナルの「省エネ君ヨドマーズ」が設置されている。「省エネ君ヨドマーズ」は室内に穏やかな対流を起こし、空気の淀みをなくす装置。空気の循環によって天井付近と床付近の温度差を解消し、無駄な冷暖房費を抑えて快適な住空間を実現する

リビングの造作建具は、実家の玄関に使われていた天井のスギ板をリメイクしたもの。スギ板を裏表張り合わせてつくってある。上質な無垢材は、どれだけ時を経ても美しい

総２階の外観は、アイボリーと黒のバイカラーで変化をつけた。前面には駐車場を4台確保し、建物の裏には実家がある

玄関は、奥にある実家の通路の妨げにならないようにポーチを引っ込めて設けてある。ポーチの壁は板張りにして端正な雰囲気を演出。玄関の正面には階段がある。階段を建物の中央に設けたことで室内の廊下の長さを抑え、スペースを有効に活かすことができた

２階の和室にはヒノキの腰板を張って上質感がアップ。採光も十分に確保されている

ご主人の要望だった仕事部屋も十分なスペースを確保できた。L字型に造作カウンターを設け、棚の高さやサイズをしまうものに合わせて設定してあるためものがスッキリ片付いて使い勝手も抜群

ご主人の仕事部屋と母屋の間に設けた広い中庭は、オンとオフを切り替えるための中間領域にもなっている。石畳を敷き詰め、高級旅館の中庭のような風情ある雰囲気に仕上がった

窓の配置やポーチの位置など、均整の取れた美しい外観。深い軒天や格子が風情を感じさせる

ゆったりとスペースをとった玄関ホール。天然石のアクセントウォールにダウンライトの光が美しく降り注ぎ、ギャラリーのような雰囲気でゲストを迎える

洗い出しの玄関土間は、黒い那智石だけを選んでシックに仕上げた。和紙を練り込んだ京聚楽（じゅらく）壁を採用するなど、伝統技術をバランスよく取り入れ、美しい和の空間を生み出している。必要に応じて手すりを取り付けられるように、壁の下地までしっかり考慮されているのがポイント

塗り壁、無垢材、石のタイル、畳など、異なる自然素材をバランスよく配したLDKは34畳の大空間。夫婦が理想とする懐かしくモダンな雰囲気に仕上がった

庭園は建物の北側に広がり、白い砂利敷きや木製家具が和の雰囲気を静かに演出してくれる。特に、梅の木は「早春を告げる花木」として、花の少ない季節に美しい花を咲かせ、庭園に風情と色彩をもたらす

雑誌やWEBでリサーチを重ね、「モノトーンベースのモダンな内装にしよう」と相談していたおふたり。好みを存分に発揮したLDKのポイントは、石を思わせる床と真っ黒なキッチンのコントラストだ。設計段階から似合う家具を探し、鏡面仕上げの冷蔵庫を選び、仕上がった空間は新居ながらも過ごしやすく快適。半透明の扉付き収納が便利なキッチン。奥にはパントリーもあり、家事動線をギュッと短縮

ダイニングテーブルと一体化したキッチンは、デザインと使い勝手を両立。キッチンの床を一段下げたことで、テーブルについた家族と視線が合う。カップボードは、植松さんの自慢の逸品。ブロンズ入りという半透明の引き戸がつくる緩やかな境界が美しい。ホテルのBARのようなおしゃれな雰囲気に仕上がりのも大満足だ