木造建築の粋と自然素材のぬくもりは、顔である玄関から。建具も職人の手仕事

無垢の清々しさと木組みの力強さが、大らかな空間にくつろぎを添える。樹種はもちろん、部位の特性まで踏まえて選ばれた素材は、時とともに愛着を増していく

玄関正面には木の形状と表情を活かした柱。九州から取り寄せられた

ヒノキの柱の美しさや床の間に盛り込まれたさ りげない意匠性に、造り手の姿勢がうかがえる

ライフスタ イルと好みに合わせ、現代性も採り入れられている。天井ののぼり梁が部屋のアクセントに

屋根の重なり合いや格子のしつらいに、軽やかな和の風情。寺社仏閣も手がける建築技術が光る

廊下奥の暗くなりそうな場所に設けられたトップライトが温かみと丁寧な仕事ぶりを感じさせる

和の伝統の中に確かな技術力が伝わってくる外観

職人の技術の粋を結集した玄関ホール。床はヘリンボーン張り、上がりかまちはアイアンで縁取っている

上品な金色のツムギ襖は、組子細工とともに職人の繊細な手仕事が光る。テッセンの花を透かし彫りしたオリジナルの建具は吉野杉を使用

建具の造作も『Hands Works』の得意とするところ。気泡ガラスの風合いに合うよう職人が手仕事で美しく仕上げた引き戸は、アカシアの床の色味も計算して作られている

明るい玄関ホール。シューズクローク、建具もすべて職人の手づくり

自然素材に囲まれた爽やかな玄関

玄関から見上げると、さらに左右の隣家が迫っていることがわかる。この土地に足場を組み木造3階建てを建てる職人の技術の高さが伺える

随所に職人技が光るM邸のLDK。玄関横の下駄箱は家具屋職人が手がけ、建具は建具屋職人が手がけている。大工だけでなく多くの職人が入り、それぞれ仕入れた材料を使っているため、現場監督は木材の質感や色味が統一されるよう奔走した

寝室には大胆な間接照明を設置。床、壁、天井と自然素材のぬくもりを感じながらゆったりと寛げる

シンプルでスタイリッシュなデザインながら、木のぬくもりが感じられるリビング。素材や色を意識した床材の使い分けで自然なゾーニングを実現

手仕事で仕上げる繊細な格子の欄間や、自然な形を生かしたヒノキの手すりなど、随所に施された美しい造形は癒し効果が大。木を知り尽くした職人ならではのこだわりに、思わず見とれてしまうことも多いとか