奥行き3mの長い軒と植栽が西日を適度にカットし、反射するミラーガラスの効果で室内も見えにくく仕上げている。軒先にはあえて雨樋を付けず、雨の日には雨だれがそのまま木々に潤いを与える仕掛けに

外観は、勾配が少なめの大屋根、古くから続く集落の静かな住環境にほどよく溶け込むよう配慮した。家づくりの途中でアウトドアの面白さに目覚めたというKさん夫妻。広い駐車スペースでグランピングしたり、本番キャンプのシミュレーションをしたりと楽しんでいる

西面にミラーガラスを使用したトリプルサッシの大開口を設け、外と内につながりを持たせながら、プライバシーもしっかり確保。柱は県内で伐採された「葵桧」、現しの梁は杉材を使用し、木の温かみを感じられる空間に

目の前に広がる田園風景を楽しみながら過ごせるLDK。「100年経っても世界の定番」として知られる「マルニ木工」のダイニングテーブルと椅子をセレクト。ダイニングテーブルの幅は、「kitchen house」のキッチンサイズに合わせてカットした。おしゃれなフォルムの冷蔵庫は、日本を代表するプロダクトデザイナー・深澤直人氏のデザイン

モルタル仕上げの土間玄関。家族用とゲスト用の2WAYで、空間をいつもすっきりと保つことができる。天井まで届くハイドアの建具を採用したことで、より広く感じられる。収納力も十分

ホテルライクな仕様のサニタリー。ワイドな鏡、洗面台は造作。ガス衣類乾燥機「乾太くん」のあるランドリールームと隣接し、家事時間を大幅に短縮できる

外の植栽を眺めながらゆったり入浴できるバスルーム。浴槽に近い位置に大きな窓を設置したことで水分が早く蒸発するため、カビの発生を抑えられる。入口のドアは透明ガラス

トイレのデザインにも妥協しないのは、建築家の建てる家ならでは。窓と間接照明の位置、大きさにも根拠がある。浴室同様、ドアは半透明のガラスを採用し、明るさと開放感をキープ

長い軒が夏の日差しを遮り、あえて軒樋をつけずに雨が流れ落ちる様子を楽しむ仕掛けに。杉板で造作した雨戸も趣深く、ウッドデッキはBBQやプールに便利。この庭で、ご主人はDIYを楽しむ

外観は「普通じゃないほうがいいですよね？」と提案されたモダンスタイル。植栽が通りからの視線を適度に遮り、外構に設えられた照明があたたかく迎えてくれる。駐車場から雨に濡れずに入れることも優先度の高い要望だった