豊かな自然の景色を楽しむために大きな開口部を設け、さらに吹抜けを採用したことでより開放感が生まれたLDK。高窓の障子から漏れる淡い光もポイント。地元天竜産の杉をふんだんに使い、柱と梁をあえて見せる真壁づくりの空間に癒やされる

構造はシンプルで頑丈な総2階。外壁は天竜杉の押縁仕上げで、光のあたり具合によって立体的に見える。和になりすぎないよう、玄関とポーチはモルタルで仕上げ、モダンなテイストをプラスした

家の前に植えられている大きな桜の木の方向に軸線をとり、その軸線に向かって直角に杉板を張った。こうして視線が桜に向くようにと計算された配置が、部屋自体の視覚的広がりを生み、いっそうの開放感を創り出している。こんな手間のかかるつくりは、時間をかけて丁寧に仕上げることができる自社の熟練大工だからこそ実現したものだ

オリジナル造作のキッチン。グレーがかった微妙な色合いのベージュのタイルが奥さまのお気に入り。キッチンから桜の木の方向を向いて見上げたときの、障子と梁の感じも好きなのだそう

洗面台もオリジナル造作で。カウンターに漆を塗ってニュアンスを添えている。やや大きめの窓を採用し、北面でも十分な光を確保した

設計士が納戸のつもりで提案した部屋だったが、Sさん夫婦は猫専用の部屋だと認識。おかげで快適に過ごせる部屋ができ、愛猫にとってはうれしい誤算となった

天然木を贅沢に使った空間に、きれいな空気が流れる。吹抜けを通じて1階と2階の気配が伝わりやすく、親子のコミュニケーションもスムーズ

「森の中の隠れ家的一軒家」という表現がぴったりのS邸。1階の周囲をぐるりと回るウッドデッキで弁当を広げ、家族と親戚でお花見をするのが恒例行事となっている

障子からの淡い光に癒やされる和室

開口部には吉村障子を採用。障子越しの淡い光に心が安らぐ。キッチンと和室は天井を低くし、吹抜けの開放感を強調

谷崎潤一郎の名著「陰翳礼讃」を思わせる、障子からの淡い光に癒やされる。ぽってりとしたガラス製のペンダントライトは、建築家・中村好文氏デザインの「PERA」。障子、丸テーブルとの相性もぴったり

柱と梁を現しにした真壁づくりのLDKは22畳。天然木をふんだんに使ったナチュラルな空間は、五感を癒してくれる

天井をあえて低めに抑えたリビング。障子からこぼれる淡い光に癒やされる。床と天井に杉板を貼り、無垢の手触り、質感、香り、経年変化が暮らしていくうえで楽しめそうだ

Mさん家族のシンボルカラーである黄色をふんだんに取り入れたLDK。ビビッドイエローのクロスが、同社の特徴である真壁づくりの空間とぴったり馴染み、楽しい雰囲気に仕上がった

柱と梁を現しにした「真壁づくり」のLDK。調湿効果の高い無垢の木をふんだんに使った空間に、きれいな空気が流れる。吹抜けが空間をつなぎ、家族のコミュニケーションもスムーズに

南側の大きな開口部が緑豊かな景色を切り取る。春には満開の桜が咲き、ウッドデッキに出て花見を楽しむ。川のせせらぎに癒やされて、夜は熟睡できるそう

吹抜けの開放感が気持ちいいLDK。柱と梁を現しにした真壁づくりの空間に人もペットも癒やされる。和に洋にと、どんなテイストのインテリアも合わせやすいのが真壁づくりの魅力とも言える。住み始めてから2年が経ち、無垢のフローリングの小さなキズも味わいになってきた。床暖房なしで裸足で過ごせるほど暖かい

垂木、Jパネルが現しとなり、天竜杉の香りが心地いいLDK。緑豊かな田んぼの景色を楽しむために、北面にも大きな開口部を設置した。艶やかに輝く無垢の床は、建築家と『石牧建築』のスタッフ、施主さん家族が一緒にワークショップで漆塗装を施した