T さんが思い描いていたのは「シャビーシックな家」。シャビーシックとは、古めかしさの中にも品や味わい、優雅さがあるという意味。外観はこぢんまりとした平屋に見えるけれど、室内は吹抜けのリビングが広がり、2階にも3部屋を確保した。こんなに開放的でありながら、生活動線はコンパクトに収め、1階でほぼ暮らしが完結するように設計されている。　大人かわいいデザインと住みごこちを両立したのは、リノベーション経験が多い『FAN CRAFT』ならではの応用力。取材当日は35℃を超えていたにも関わらず、屋根と壁のW 断熱効果により、エアコン1台で十分涼しかった。　天然木と自然素材に包まれた心地いい空間は、手づくり家具でコーディネート。素材はどれも新しいのにアンティークな雰囲気で、〝ださい〞モノまでかわいくなる。床が汚れれば削ればいいし、壁も塗り直せる。真鍮のソケットの色つやが変わっていくのも楽しみ。住んでからが面白い、それがシャビーシックな家の魅力だ。