モルタル風のクロスと、オークのフローリングの組み合わせが落ち着きを感じさせるリビング。薪ストーブは料理にも利用でき、最近はブルーベリージャムがおいしく仕上がったという。もちろん、寒い冬は家中に心地よい暖かさを運ぶのが薪ストーブ本来の役割。あまりの気持ち良さに、子どもも床に寝そべっていつの間にか夢のなかへ

山々の風景と調和した大屋根の外観。雨の日も情緒があって美しい。建物の手前に設けた薪棚は、安形社長が図面を引かずに必要な寸法に合わせてさっと造作したもの。プロの手際の良さと確かな技術を感じさせる

薪ストーブを中心に勾配天井の開放的な空間が広がるLDK。建物にはご主人が自ら伐採したヒノキ材が使われているため、愛着もひとしおだ。2階廊下の手すりの上にはアイアンのポールを設け、室内干しに利用。「洗濯物がすぐに乾いて便利です」と奥さま

キッチンの天井は床材と同じオークの突板にして、統一感を高めている。オープンキッチンの背面に設けた造作収納＆カウンターも、ダイニングキッチンの雰囲気とベストマッチ。カウンターは、子どもたちが勉強に使うことを想定し、壁に書棚も設えた。また、週に一度まとめて買い物するＩさん家族の生活スタイルに合わせ、キッチン奥には大容量のパントリーを確保した

玄関は土間を広くとり、家族用の玄関とシューズクロークを設けた。造作の棚を両側に配し、靴はもちろんアウトドア用品や子どもの荷物なども一緒にしまえる。たっぷりと余裕のある空間は、心にもゆとりをもたらしてくれる

子ども部屋の手前に設けた2階の洗面スペース。１階の雰囲気に合わせて、壁にモルタル風のクロスを用いている。女の子が2人なので、将来のことを考えて、カウンターや鏡の大きさも十分に確保した

ご主人が自分時間を楽しむ趣味部屋。ここで漫画を読んだり、映画を観たり。壁面に設けた造作の書棚は、奥行きや高さを単行本がぴったり収まるサイズに設定した

トイレは奥さまがコーディネート。コンクリート風のインダストリアルな壁紙には、ヘリンボーン柄の木質感を組み合わせてポイントに。ペンダント照明は、中央からずらした位置に設け、スタイリッシュに演出した

玄関から直接リビングに繋が る間取り。右手には、ストーブへ 薪を運ぶための土間が続く

光と風が心地よい24畳のLDK。パインの床の上を1歳の長男が気持ち良さそうにハイハイする。将来的に薪ストーブを設置する予定で、すでに屋根には煙突もある

パッシブデザインが施されていることも大きな特徴。2つの吹き抜けを光と風が行き来し、家族の声と薪ストーブのぬくもりが運ばれる。格子のキャットウォークは、光を降ろしつつ、見上げたときのアクセントの役割も。オリジナルのアイアンが大らかな空間を引き締めている

床には美しいヒノキが敷かれ、壁の一部には同社オリジナルのお茶薫る珪藻土が採用される。柱や梁も大井川流域材。「寒い時期は薪ストーブの前にいる時間が一番好き」とご主人。床のタイルは2つの窓とデッキに接するようL字に。内外をやわらかくつなぐとともに、愛犬のトリミングスペースなどに活躍