袖壁を斜めに出し、軒を広げて片流れの外観フォルムをユニークにアレンジ。LDKに設置したドアから、庭へ自由に出入りできるため、芝生の上もリビングの一部のよう

1階の間取りはシンプルに、栗の無垢フローリングが肌に優しいLDKと、水回りに玄関のみ。吹き抜けを通して2階フリースペースと繋がる設計は、どこにいても家族が一緒にいる感覚をもたらす。「眠る時間以外全員ここで過ごします。息子はいつも、畳におもちゃを広げていますよ」そう夫妻が語るそばで、子どもが素足で走り回る様子が印象的だ。暮らしながら必要なものをしつらえる。そんな感覚で住まうYさんの家は、時を経るごとに家族に馴染んでいく

玄関を入り、正面ドアを開けると小上がりの畳スペース、リビング、キッチンを備えたLDKへ。高い断熱性能と24時間型換気システムのおかげで、エアコン1台で夏も冬も快適だ

キッチン横の造作カウンターは、将来スタディカウンターとして活躍させる予定。収納もたっぷり

奥さまの好みをもとに、ナチュラルな木の色を活かす内装に。キッチン壁にはタイル調クロスを配置

リビング入口にある階段を上ると、吹き抜けを見下ろせるフリースペースへ。2階には子ども室や寝室を用意

玄関ホールから北欧調にしつらえた造作洗面台、浴室、トイレへ直結。帰宅後すぐ手洗いうがいができる

家の北側は、窓のない潔いデザインが目を引く。木製ドアと塗り壁の相性もいい

印象はシャープだが、袖壁を出し、軒を大きく伸ばしたフォルムは、いつもの『福工房』スタイル

庭と室内を自由に行き来。柱の一部に旧家の素材を使うなど、思い出をアレンジして散りばめた

窓を開ければ中庭テラスへの出入りは自由。ここもリビングの一部としてくつろいだり、洗濯物を干したりと幅広く使える

真っ白な塗壁、ゆるやかな片流れの屋根、窓のない無機質な外観がスタイリッシュな印象。玄関前の壁は斜めにデザインすることで、無垢板の壁がアクセントとして際立つ。出入りする際に顔が見えない効果も

周辺の風の強さも吟味しながら、奥さまが憧れた3寸勾配の片流れの屋根を形にした。真っ黒なガルバリウム鋼板の壁に、木の色味を加えたバランスがスマートだ。リビングからウッドデッキへ自由に出入りできるため、子どもたちは部屋と外を自由に行き来して遊んでいる

勾配になった天井にはツガをあしらい、床には無垢のオーク材を使った、木のぬくもりがあふれるLDK。窓際には収納が付いたL字型のベンチを造作。引き出しの一部は移動することができ、机やイスとして自由にレイアウトできるのがユニーク

室内からいきなり庭に出るのではなく、間にワンクッション置いたスペースが欲しいと、ウッドデッキを設置。建物の角に沿ってL字型に伸び、リビングの掃き出し窓とダイニングの掃き出し窓の2か所から出入りできるようになっている。休日にはテーブルと椅子を出してピクニック気分でランチをしたり、BBQを楽しんだり、夏は子どものプール遊びにも大活躍。デッキの一部には屋根を付け、洗濯物を干す場所としても重宝している