くふうイエタテ 山梨
エリア

MENU

家づくりガイド【間取りとデザインのアイデアを探そう】

磯野家(サザエさん)に学ぶ間取り術

公開日:2016-06-01

イエタテ編集部 ライター:イエタテ編集部

磯野家(サザエさん)に学ぶ間取り術

テレビでおなじみの「サザエさん」。 みなさん、サザエさんのお宅ってどんな間取りかご存知ですか? 今回は「サザエさん」のお家の間取りを題材にして、間取りの考え方を紐解いていきます。 昭和の家と現代の家では、間取りの考え方にいったいどんな違いがあるのでしょうか?

今回お話を聞いたのは

佐川 旭建築研究所 一級建築士 代表 佐川 旭 さん

佐川 旭 

1951年 福島県生まれ。つたえる,つなぐをテーマに個人住宅から公共建築まで幅広い実績をもつ。生活総合情報サイト All Aboutの「家を建てる」のナビゲーターとしても活躍。テレビにも多数出演。著書に「最高の住まいをつくる間取りの教科書」他多数

磯野家と現代の家を比較してみる

磯野家と現代の家を比較してみる

テレビでおなじみ「サザエさん」。
磯野家の間取りは、壁が少なくどの部屋にも行き来できるフスマで仕切られています。茶ノ間はどの部屋からも同じような距離にあり、円形のちゃぶ台が微笑ましく仲よし家族を表現しているように感じます。玄関から南側の庭へとつなぐ「縁側」はそれぞれの部屋に適度なプライバシーをつくるとともに、各部屋へのコミュニケーション通路にもなっています。

磯野家の間取りは昭和30年代前半までによく見られた茶ノ間を中心とした間取りです。
今から約60年前の間取りですがいまを伝えるたくさんのヒントが隠されています。
磯野家と現代の一般的な家を比較してみましょう。

磯野家と現代の家との比較

磯野家と現代の家との比較

磯野家をリフォームしてみる

磯野家をリフォームしてみる

磯野家の間取りを家族が集まる「集」ととらえれば、現代の家は個人を大切にする「個」とします。それぞれに良さはありますが現代の住まいに求められるのは“空間と空間がやわらかく自由につながる”という感覚です。どこにいても家族の気配が感じられる距離感がほしいのです。そこで磯野家を現代の住まいに求められる家にリフォームしてみたいと思います。左図:気配は、家族の姿が見えたり、声が聞こえたりすることで、感じることができます。

磯野家の間取りでどうしても気になったのが茶ノ間の明るさです。北側で昼間もうす暗いはずです。ここに自然の光が差し込めば家族がより集まりやすくコミュニケーション豊かになるはずです。そこであまり使われない客間6畳をつぶして中庭とします。デッキが敷かれた中庭はそこで何をするという明確な目的はありません。逆にいえばだからこそ行為の違う空間を自由につなげることもできるのです。
つまり緩衝帯(バッファゾーン)を設けるのです。緩衝帯をスペースとスペースの間に入れることで空間はとても柔らかくなり人と人をつないでくれる役割をはたしてくれるのです。

現代の家づくりにいかす

現代の家づくりは部屋数の確保と個室の充実に重きを置きがちです。さらに各個室の用途は決まっていて無駄なスペースはありません。でも住まいは一室で完結するのではなく何らかのワンクッションをおくことで次の空間へ行く心の準備ができるのです。たとえば玄関に入って壁のニッチなどに野の花が飾ってあれば外から内への心のスイッチの切り替えとなります。又、ダイニングからリビングに移動する際、天井の高さに変化をつける、こうした小さな間やデザインの工夫をすることで心は落ちつき次のコミュニケーションが生まれてくるのです。サザエさんのドラマでは今なお黒電話で固定電話です。しかし日本人が最も大切にしてきた家族の団らんというメッセージを届けているのです。団らんこそが家づくりの目的であり団らんをするために家を建てるのです。

ライターのご紹介

イエタテ編集部
イエタテ編集部

フリーマガジンイエタテ・イエタテの本(家を建てるときに読む本)・WEBイエタテ・わたしの住まいみんなの暮らしを運営するイエタテの編集部。あなたの家づくりに役立つ情報をお届けします。

家族の要望を整理できる!家づくりカルテ

マイページにログインしてください。

こちらの機能を利用するには、マイページにログインする必要があります。くふうイエタテ会員登録がまだの方は、下の「新規会員登録」から登録をお願いします。

閉じる

クリップを解除しますか?

はい
キャンセル
閉じる

2つ以上のコンテンツがクリップされました。

company_name

を検討会社に追加しますか?

はい
キャンセル
閉じる