静岡県西部
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「家のイメージは『体育館』。大人はリビングの隅のソファに座って、家中を駆け回る子どもを見守るんです。ね、うちって、体育館みたいでしょう?」
屈託のない笑顔でお子さんを見つめながら、優しい声で語るTさんの仕事はスポーツトレーナー。スポーツ好きが高じて、運動する人を支える仕事を選んだのだそう。奥さまは運動が得意ではないけれど、「アパート暮らしの頃から続く日課は、毎朝家族みんなのお弁当を作ること。主人は仕事、私と娘たちは公園へ。たっぷり遊ばせてあげたくて」そう柔らかく笑う。視線の先には、いつも2人の女の子がいる。夫婦にとっては「子どもがのびのび遊べること。笑顔でいること」が大事。だから新築するなら「雨が降って公園へ行けない日でも、我が子が心から笑える家」が理想で、それを叶えたのがこの住まいだ。
『体育館』を形にするために、1階は玄関土間からリビング、ダイニング、キッチンまで一直線で結ばれ、寝室以外がワンルームのようにつながる。壁の上部がカットされて、廊下の向こうにあるクローゼットやランドリールームまで光と風と音が通り抜ける。「一番のお気に入りは、黒いアイアンで特注したうんていかな」とご主人。すでに2歳のお姉ちゃんは一人で登れて、いつか柱を登り棒がわりにする日も近そうだ。1階全部はもちろん、将来子ども部屋になる2階フリースペースまで自由に行き来して走り回る。1歳になる妹は歩くための練習中だけれど、「子どもがどこにいるのか、すぐわかるので安心ですよ」そう奥さまは目を細める。
この開放的な空間は、大きな窓とテラス越しの庭にも続く。「友だち家族を招待してバーベキューをしたいね」「手付かずの敷地に砂場や走り幅跳びができる場所を作って、それから芝生も植えて…」そんな夫婦の会話は、幸せな物語の一部のように心に響く。
Tさんの楽しみは、子どもたちが眠った後に夫婦でゆっくり話をすること。時にはソファに寝転んでテレビを見ながら。時にはお茶を飲みながら。一年中あったかくて、広くて、明るい家が、子どもを見守る夫婦の幸せを紡いでいく。
吹き抜けの勾配天井や、扉のない緩やかな間仕切りのおかげで家中が明るい。家の真ん中にある階段そばに、黒いアイアンで作られたうんていがある。「お姉ちゃんは、入居後数週間でマスターしましたね」とTさん。『体育館』の言葉通り、パパとママは見守り役で、子どもたちが自由に動き回れるのがこの家の良いところ
階段下にスタディカウンターのある畳コーナーを設計し、おもちゃ置き場として活用。中央の柱に、子どもの身長を記していくのも楽しみ
キッチン横のブックニッチにはお気に入りの絵本をディスプレイ
LDKの大きな窓の外には、広々としたデッキテラス。子どもたちが遊びまわる姿も景色の一部に
家の中が体育館なら、庭は運動場。小さな砂山があったり、タイヤを埋めた遊具があったり
「平屋育ちで、新居もLDKと寝室を1階にまとめた平屋ベース。憧れの2階は吹き抜けでつながるフリースペースに」とご主人。この工務店を選んだ決め手は、「子どもを優先してくださるスタッフの人柄」だそう。
情報誌の編集者を経てフリーライターに。カフェや雑貨店巡りが好きで、お店さながらにテーマ性のある家づくり、建物に潜むご家族のストーリーを見つけるたびにワクワク。二児の母。