建築家でも工務店でもない、一人の「大工」として培ってきた高い技術に卓越したデザインセンスをプラスして、無垢と自然素材の家を創る『加藤建築』。その加藤社長の自宅兼事務所だ。隠れ家的な書斎、開放感あふれる吹抜けの2階リビング、二世帯が快適に暮らせる間取りなど、家づくりのヒントが凝縮されている。注目したいのがフロアを少しずつずらし、5層で構成されたスキップフロア。階が分かれていても視線が通るため、どこにいてもお互いが近くに感じられ、安心して過ごせる。また、床の段差で空間を仕切るため、家族の気配がさりげなく伝わり、コミュニケーションも取りやすい。さらに、床の高さを変えることで目線が広がるので、実際の床面積よりも広く感じられる。築10年が経過したこの家は、無垢の色も飴色に変化し、味のあるヴィンテージ感を醸し出している。