「庭の眺めを、思いきり楽しめる家がいい」。M邸が建つのは、閑静な住宅街にある、祖父母が暮らしていた場所。広い庭には丁寧に手入れされた豊かな木々があった。庭への思いも受け継ぎ、樹木を1本も切らずにすむよう建物を配置。リビングは両側に庭が広がり、「その迫力と美しさに毎日感動しています」と奥さま。南側の連続開口は、室内と深い軒下空間をシームレスにつなぎ、愛着ある庭へと視線を誘う。北側には新しく中庭を設け、元々あったかのような自然さでデザイン。中庭を囲むように和室や玄関、水廻りを配置し、どこにいても緑や空を感じられる。「夜、中庭をライトアップすると、メインの庭と合わせて森の中にいるような気分に。夜景も満喫しています」とご主人は語る。高低差のある敷地を活かしたプランにより、2階からは街が一望できる。