家づくりガイド【地元の家づくり情報をチェックしよう】
更新日:2020-02-13
公開日:2016-09-04
ライター:遠藤 一訓
東日本大震災の衝撃的な大津波…。 そして熊本地震で倒壊する熊本城や木造住宅…。 茨城県の鬼怒川氾濫による浸水で家が流される… 近年の災害によるショッキングな映像はとても多い気がします。 時とともについつい薄れがちな防災意識も、そのたび正されます。 そんな中、 静岡県内初となる、「避難シェルター付防災住宅」のモデルハウスがオープンしました。 シェルターとはいったいどんなものなのか? 実際に取材させていただきました。
今回伺ったのは「シェルタージャパン」さんのモデルハウス「カリビスのたまご」。
外観は、一見するとRC(鉄筋コンクリート)住宅のようなデザインですが、
れっきとした木造住宅。形状と言い、側面の太陽光パネルモジュールといい、なかなか斬新なデザインです。
早速、モデルハウスの中を拝見させてもらいました。
リビングに入ると右手に円柱のような曲線部分が!! これがシェルター。
銀行の金庫のような重厚な鉄の塊を想像していたので、割と自然にリビングになじんでいました。
このシェルターは通常は1階と2階をつなぐ内階段として使われていて、災害時には扉を締めてシェルターになるという。普段は、おしゃれならせん階段となっています。
内部は、たまご型になっているので結構広いスペース。車椅子でも入れるように設計されています。足を曲げれば大人でも横になれるスペースが確保されています。
扉は2重扉で、外側は重厚な鉄扉になっています。これで例え水に浸かっても浸水しない設計になっています。
矢野社長に聞いてみました。
矢野社長 東日本大震災の後、南三陸の被災地に様子を見に行って思ったんです。
津波を前に、「沿岸部の住宅は無力だ」と。私の住まいは舞阪ですから、もろに沿岸部です。
同じような地震・津波がきたら、まず即死だなと。
これは何か対策しないといけない、本気でそう考えていたときに、スイスの核シェルターがヒントになりました。
スイスでは国の政策もあって義務付けられているため、ほぼ100%自宅地下に核シェルターがついています。
これだと思いました。
東日本大震災では、地震発生から14mもの津波が襲ってくるまでの時間は、わずか8分 だったそうです。
それを考えると、老人や小さい子、足の不自由な方は避難に間に合わないと。
家で避難できるシェルターが最適だと考えたわけです。
そしてスイスにわたって、実際に核シェルターを見学し、防水対策など改良を重ね、ようやく商品化にいたりました。
現在は、シェルター内でしばらく生活を送れるように、現在はJAXAに協力いただき、酸素発生システムの開発も行っています。
お聞きしたところ、本体工事費に加え、プラス1000万円程度 。
なかなかのお値段でした。
シェルターは重量があるため、地盤改良の有無によって多少前後するそうです。
シェルター付防災住宅、お値段的にはまだ高めですが、命を買うと思ったら価値はそれ以上かもしれませんね。
東南海地震は30年以内に80%の確率で起こると言われています。
となれば、やはり災害対策はしっかり考えておきたい課題ですね。
取材したこの日は7月の猛暑日。太陽の照り返しに目を細めるほど蒸し暑い日でしたが
モデルハウスの中は、驚くほど快適でした。
しかも、これが家庭用エアコン1台で実現してるというから、さらにびっくり。
省エネ住宅の日進月歩に、ホント頭が下がります。
全館空調のすばらしいところは、「家中どこにいっても一定温度」という事。
玄関から涼しいというのは施設ならよくありますが、自宅ではなかなかないですよね。
そしてトイレも、なんとクローゼットの中まで。この快適さ、これは初体験でしたが画期的です!
ぜひシェルターと合わせて体験してみてください。
●取材先
株式会社シェルタージャパン「カリビスのたまご」モデルハウス
〒435-0031 静岡県浜松市東区長鶴町141-1
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